悠久の刻~華~

「悠久の刻~華~」2016

2016年4月

  • 日伊修好通商条約締結150週年記念「イタリア最高芸術勲章」受賞(於:イタリア)


“永遠の時を刻む、神秘の貴石”

宝飾芸術と絵画を両翼に、圧倒の作品を手がけるアーティスト・佐伯和子。“花”を愛で、創作の原点とする佐伯の活躍は、国際的に名を馳せる存在である。掲出作「悠久の刻~華~」はブローチを主題に、ネックレスと合わせて謳い上げる、天然石の神秘と、作家の古代へのオマージュが現出した傑作と言えよう。およそ200年以前の輝きを保ち続ける鼈甲には、まるで淑女の胸元に飾られた宝飾の様なフォルムを魅せ、細やかな装飾が美しく、エメラルド・ブラウンダイヤ・シトリンが散りばめられている。その質感と色合いの美事さに天の才をも感じる。また、エメラルド・メノー・サンゴ・パール等で華麗に造化された“貴石の花”は、宝石それぞれの特性や色を吟味した渾身の逸作で、作家の造形意匠の完璧さに敬服する。この2作が奏でる詩韻と静謐な時間。感動がやまない。

文/デミトリス・ミタラス

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